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那覇市、救急医療をDXで刷新! ~4月16日より「NSER mobile」を活用した救急医療情報システムの実証実験~

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2024年4月16日より、那覇市及び実証実験参加医療機関では、TXP Medical株式会社(代表取締役CEO:園生 智弘、以下TXP Medical)が開発した「NSER mobile」を活用した救急医療情報システムの実証実験を開始します。このシステムにより、救急搬送の迅速化と医療提供の効率化を目指し、実際の効果を検証致します。

【背景】
近年、全国で見られる救急出動件数の増加傾向は、那覇市においても例外ではありません。令和5年中における救急出動件数(23,701件)は、前年比で顕著な増加(前年より1,042件増加)を示し、過去最高を更新しました。特に、令和5年度に入ってからは、その件数は更に上昇し、救急隊の業務負担は極めて重大な状況に陥っています。このような背景の下、迅速かつ効率的な救急医療体制の整備が急務とされています。

【那覇市救急医療体制の現況解説】
那覇市における救急医療体制は、現在6つの署所(西・小禄・神原・中央・首里・国場)にて、合計7隊の救急隊が運用されています。平成26年以降、救急出動件数は約1.4倍に増加しておりますが、それに伴う救急隊の増隊は1隊のみにとどまっています。
(引用:消防年報平成26年中の救急出動件数16,787人、令和5年中の救急出動件数23,701件)

特に、他自治体と比較した場合、那覇市は市民一人当たりの救急隊数が少ないという課題を抱えています。観光地としての性質上、多数の観光客が常に滞在しており、彼らを含めた対応人口は年々増加傾向にあります。これにより、全隊が出動中で救急車が出動できない事案も増加しており、市民の安全と健康を守る上で大きな課題となっています。

このような背景から、救急医療の質を向上させるためには、ITシステムの活用を含む革新的な対策の導入が不可欠であるとされています。

【救急医療情報システムによる救急搬送支援の革新】
従来、紙ベースと電話に依存していた救急現場から医療機関への情報伝達を、救急医療情報システムを通じてデジタル化し、リアルタイムでの情報共有を実現します。救急車内に配備されたタブレットやスマートフォンを用いて、救急隊員が現場で収集した患者情報を、直ちに搬送先の医療機関へ送信可能になります。この迅速な情報共有を支えるため、音声入力やOCR(光学文字認識)など、複数の入力支援AI技術を採用しています。これにより、受入医療機関は患者の病態に応じた迅速な受入準備及び適切な受入可否の判断を行うことが可能になります。さらに、患者情報はQRコード生成機能を通じて電子カルテへの即時転記を可能にし、救急活動記録のデジタル化を実現します。このシステム導入により、救急医療サービスの質の向上と効率化を図ります。

【「NSER mobile」が提供する革新的機能】
1. 患者情報の迅速かつ正確な入力を支援するためのAI技術、具体的には音声入力とOCR(光学文字認識)を搭載。
2. 傷病者情報をテキストや写真形式で医療機関にリアルタイムに送信する機能、迅速な対応を可能にします。
3. 電子カルテへの情報転記を可能にし、活動記録用紙の印刷もサポートする機能、情報管理の効率化を図ります。

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実証期間
令和6年4月16日から令和6年5月27日

システムの概要
・傷病者情報入力機能
・医療機関との傷病者情報・画像情報共有機能 
・医療機関電子カルテへの取込み及びデータ送付機能

運用体制
市内全7救急隊がモバイル端末を使用して本システムを運用。市内の救急医療に関わる医療機関(二次救急医療機関、三次救急医療機関、救急告示医療機関など)のうち※8医療機関が参画。
(※那覇市立病院、沖縄赤十字病院、沖縄協同病院、大浜第一病院、浦添総合病院、友愛医療センター、
県立南部医療センター、琉球大学病院)

効果検証の項目
・救急搬入時の交渉所要時間の時間測定
・救急業務負担の軽減効果のシミュレーション
・消防局、医療機関へのアンケート調査
(救急隊の業務負担及びストレスの軽減、コミュニケーションミス(言い間違いや聞き間違い)の防止、画像を通じた詳細な傷病者情報の共有、および医療機関のサービス利便性の向上など、救急医療情報システム導入による複数の効果を検証する要素を含みます。)


「救急医療情報システム」の「NSER mobile」は現在、2023年10月藤沢市、2024年2月からは札幌市全域で運用されており、全国6自治体(1県を含む)で実証中です。(2024年4月1日現在)

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