今回は、実際に「NEXT Stage CONNECT」を日常業務の中でご活用いただいている、奈良県立医科大学附属病院、地域連携・入退院支援センターの谷口副センター長と寺田様にお話を伺いました。
「NEXT Stage CONNECT」の活用シーン
夜間・休日に救急で受け入れた患者さんのうち、病状が安定している方を後方支援病院に転院調整するのに使用しています。
転院支援が必要な患者さんの把握、後方支援病院のベッド状況の把握、後方支援病院との情報の共有がすべて一つのシステムで出来るのでとても便利です。
転院に関わる業務量を大幅に削減することが出来ました。
導入メリット1:転院支援が必要な患者さんがわかりやすく
当院では、救急からの入院は患者さんの病態に応じた専門病棟に振り分けられます。
そのため「NEXT Stage CONNECT」導入前は、転院支援が必要な患者さんの情報を把握するのが大変でした。特に連休明けなどは早く出勤して情報収集していました。
「NEXT Stage CONNECT」導入後は、救急から入院になった患者さんの情報を事務がリストに入力してくれるため、転院支援が必要な患者さんの情報は「NEXT Stage CONNECT」を見ればすぐにわかるようになりました。いちはやく患者さんの支援に取りかかれます。
導入メリット2:後方支援病院の病床状況がひと目でわかる
「NEXT Stage CONNECT」導入前は、後方支援病院から空床状況を毎日FAXで送付してもらっていました。後方支援病院は15病院ほどあるのですが、送られていない場合は電話で連絡してFAXで送付してもらい、送られてきた15枚のFAX用紙を束にしてペラペラめくって一病院ごとに確認していました。
現在は「NEXT Stage CONNECT」の、一つの画面を確認するだけで15病院の状況がひと目で把握出来ます。
ベッド状況の把握を速やかに行えることで、患者さんにとって最適の病院を速やかに選定することが可能になりました。
後方支援病院からも、毎日FAXを送信する手間がなくなり、空床情報の共有が楽になったとの声を聞いております。
導入メリット3:転院に必要な情報の共有が簡単
「NEXT Stage CONNECT」導入前は、後方支援病院と電話で転院に必要な情報を共有していました。電話口で必要な情報を伝えるのは結構大変だったんです。
現在は、まず「NEXT Stage CONNECT」に必要な情報を入力し、後方支援病院に入力したことだけを伝えれば、必要な情報は画面を通じて共有することが可能です。
当院では、夜間帯の間に医師や看護師が診療情報提供書や看護サマリーを作成してくれているので、それをFAXで追加送付すれば、後方支援病院内で受け入れ可否を判断してくれます。
今では、朝転院支援を開始し、お昼すぎには後方支援病院での入院治療を開始していただけることもあります。
導入までの経緯と、今に至るまでの道のりは?
奈良県では妊婦搬送困難事件をきっかけに2009年に奈良県救急医療管制システムが立ち上がりました。2015年ごろから、二次病院に複数回受け入れ要請しても搬送先選定が困難な場合に奈良県立医科大学附属病院に搬送されるようになりました。当初は土日のみの運用だったのですが、2022年4月から365日24時間の運用になりました。
当院で継続的に搬送を受け入れるために、初期診断後、容態の安定している患者さんは、翌平日以降に後方支援病院に転院していただき治療を継続します。
これまでは、私たちが朝出勤してから転院候補となる方の一覧を作成し、情報を収集していました。そこから後方支援病院からFAXで送られてくる空き状況を一病院ずつ確認し、後方支援病院に電話で連絡し、転院調整を行っていました。
連休明けなどは特に対応が必要な件数が多く、情報収集や空き状況のチェック後に病院打診をしており業務量が非常に多く大変でした。
特にコロナ禍で、転院調整が必要な患者さんが増加し効率化することが必要でした。
自分たちでシステムをつくるのは難しく、TXP Medicalに開発をお願いしました。
今後の展望
2024年4月から「NEXT Stage CONNECT」を導入して、一ヶ月半で60件近くの症例で活用しました。次の診療報酬改定で救急患者連携搬送料が新設されますし、継続して使用したいです。