2024.07.24
NEWS新たに特許2件「医療情報管理装置及び医療レポートのメタデータ付加方法」と、「情報処理システム」を取得しました。
TXP Medical株式会社は、放射線レポートから正確に臨床病名を抽出するアルゴリズムとして「医療情報管理装置及び医療レポートのメタデータ付加方法」と、臨床研究でのカルテレビューの負担を軽減する「情報処理システム」についての特許を新たに取得しました。
今回の特許取得をもって、当社が保有する特許は計7件となりました。
その他当社が保有する特許については下記記事をご参照ください。
txpmedical.jp/news/3XwLxwf4eHhwTl4dfOps4Z
■特許の概要
・発明の名称/医療情報管理装置及び医療レポートのメタデータ付加方法
・特許番号/特許第7473314号
・特許権者/TXP Medical株式会社
・発明者/園生 智弘、萩原 陽一 他 (PSP社(旧NOBORI社)との共同発明・出願)
・特許取得日/令和6年(2024年)4月15日
■本特許の内容
放射線レポートの内部の、辞書に基づいたパターンマッチングと、日本語の特徴である、「部位+つなぎ文+腫瘤・腫瘍などの用語」という文構造に基づいて、パターンマッチングでマッチしなかった場合も「部位と特定KW」の組み合わせから正確に臨床病名を抽出するアルゴリズムです。
■特許の概要
・発明の名称/情報処理システム(phenotyping、カルテレビュー自動化)
・特許番号/特許第7519075号
・特許権者/TXP Medical株式会社
・発明者/原 湖南、吉原 良哉
・特許取得日/令和6年(2024年)7月10日
■本特許の内容
電子カルテから研究目的の疾患である患者を同定するためのカルテレビューを省力化することを目的とした特許です。
カルテレビューは臨床研究の質を担保する上で欠かせないものですが、煩雑で工数のかかる作業となるため、カルテレビューの省力化の意義は大きいです。
研究目的の疾患について確立されたフェノタイピングを電子カルテに適用し、各患者をその疾患である可能性に応じて以下の三つのグループに分類します
1. その疾患である可能性が非常に高い、2. その疾患である可能性が非常に低い、3. 1.と2.のどちらにも該当しない。
そして、グループ3のみをカルテレビューにより疾患の有無の同定を行います。
さらに、グループ3のカルテレビューを補助するために、なぜこのフェノタイピングがその患者をグループ1または2では無いと判定したかの根拠を数値として示します。
グループ1と2はフェノタイピングにより自動的に疾患の有無が同定されているため、これらのグループに該当する患者が多い程、カルテレビューを省略出来る患者が増えることになります。
グループ1と2を決めるための閾値(どれだけ研究目的の疾患である可能性が高ければグループ1とするか、低ければグループ2とするかを決める基準値)は、それらの閾値を変化させると、グループ1と2の患者がどれほどの精度で疾患の有無が同定されているかを表示することでユーザーが閾値を選べるような設計が可能です。閾値を厳しくする(グループ1または2と判定される患者が減る)とグループ3のカルテレビューの負担が増えますので、ユーザーはカルテレビューの負担と、疾患の有無の同定の精度のトレードオフを考慮して閾値を決めることが出来ます。
具体的には、リサーチチームの事前の検討で、急性心筋梗塞の患者を同定するためのカルテレビューを95%削減出来ることが予測されました。これは、電子カルテに含まれる全患者のうち95%の患者は急性心筋梗塞の可能性がほぼ0である(上記グループ2に属する)と判定されたためでした。
【補足】
カルテレビューの負担や、フェノタイピングについての解析は下記の記事を参考
er-collection.jp/articles/disease-identification-algorithm-part-1