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沖縄南部4消防本部が「NSER mobile」実証事業を開始 沖縄県の約32%でNSER mobileでの救急搬送が実現(人口比)

20250603

2025年6月10日(火)より、沖縄県南部の4消防本部(糸満市・東部消防組合・島尻消防組合・豊見城市)は、TXP Medical株式会社(代表取締役:園生智弘)が開発した救急医療情報システム「NSER mobile」の実証事業を開始いたします。本実証は、同一MC(メディカルコントロール)圏域内において、統一仕様の救急DXプラットフォームを運用することで、救急隊と医療機関の情報連携を強化し、搬送時間の短縮、業務負担の軽減、地域全体の救急対応力の向上を図ることを目的としています。

【導入の背景】

沖縄南部の4消防本部では、2024年の救急出動件数が16,613件と、2022年の12,744件から増加傾向にあります。高齢化率が25%を超える地域や、国内外の観光客が多い特性に加え、暑熱環境による急病対応など、救急需要が年々増加しています。

しかし一方で、搬送された患者の約50%以上が軽症であり、重症患者への対応が後手に回る事案が増加。

南部圏域ではこれまでも、

  • 軽症・重症対応病院の機能分化(2023年)

  • おきなわ「#7119」救急相談ダイヤルの活用促進(2024年)
    など、救急搬送改善に向けた取り組みが積極的に推進されてきました。

また、那覇市では「NSER mobile」を利用した「Nser-NET」導入(2025年4月)により、救急出動体制の効率化と医療資源の適正配置が進み、市民サービス向上にも寄与しています。

こうした実績を踏まえ、今回は沖縄南部ブロック全体での統一仕様による救急DX検証を実施する運びとなりました。


【実証の概要】

  • 開始日:2025年6月10日(火)

  • 対象消防本部:

 ・糸満市消防本部(実搬送)
 ・東部消防組合消防本部(実搬送)
 ・島尻消防組合消防本部(デモ検証)
 ・豊見城市消防本部(デモ検証)

  • 主な検証項目:

・応需開始から病院決定までの時間短縮効果
・救急隊と医療機関間のリアルタイム情報連携
・医療機関内での情報受信と患者受入れの効率化
・統一システム運用による圏域全体の最適化
・現場での操作性・視認性・データ活用性
・救急業務の負担軽減への貢献度

【今後の展望】

今回の実証結果をもとに、各消防本部・救急隊・医療機関のフィードバックをもとにシステム要件を精査し、沖縄県南部圏域における本格導入の検討を進めてまいります。

沖縄2
沖縄1
沖縄3

【システム概要:「NSER mobile」】

TXP Medicalが開発した「NSER mobile」は、救急隊と病院間のアナログな連絡(電話・FAX・紙帳票)を完全デジタル化し、救急搬送の可視化と適正化を図る統合プラットフォームです。

事案情報入力に加え、病歴やバイタルサイン、静止画、動画情報の共有、一斉照会機能、応需履歴の共有、予後調査機能、事後検証機能、救急医療におけるデータプラットフォームとしての機能を実装。これにより、患者の救急搬送から治療・検査・転院までの一連業務をデジタルプラットフォームで管理し、EBPM(Evidence-based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)を促進します。

本システムは、誰一人取り残さない救急医療の実現に向け、搬送・受入れ・記録・分析の全てのプロセスを支える、次世代の医療DX基盤として注目されています。

なお、TXP Medicalが提供する救急医療情報システム「NSER mobile」は、クラウドセキュリティの国際標準規格である「ISO/IEC 27017」およびクラウド上の個人情報保護に特化した「ISO/IEC 27018」認証を取得しており、国際的に認められた高水準の情報セキュリティ管理体制のもとで運用されていることが第三者機関により認証されています。


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