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TXP Medicalのマレーシア事業が経済産業省および独立行政法人日本貿易振興機構による「日ASEANにおけるアジアDX促進事業(第三回)」に採択!

救急医療データプラットフォーム NEXT Stage ERを提供するTXP Medical株式会社 (以下、TXP Medical) の、「マレーシアの3次医療機関における救急医療DX実証事業」が、独立行政法人日本貿易振興機構(以下、ジェトロ)が事務局を担う「日ASEANにおけるアジアDX促進事業(第三回)」に採択されましたことをお知らせいたします。(契約期間:2022年8月~2024年1月)。

<日ASEANにおけるアジアDX促進事業 第3回公募における採択事業者について(ジェトロ)>

今回の採択事業は、救急医療データプラットフォーム NEXT Stage ER、救急隊向け情報入力・情報共有支援システムNSER mobileを現地向けにカスタマイズして提供するプロジェクトです。マレーシアにあるマレーシアサインズ大学病院、マレーシア国民大学病院、マラヤ大学医療センターの3病院を中心に、複数の3次医療機関*を対象にしています。病院前救急診療から病院診療まで一気通貫にDXすることにより、救急診療のオペレーションの質向上を目指します。

マレーシアでは社会全体でDXの機運が高まっていますが、救急医療を取り巻く環境においてはその進度は遅いと言えます。救急要請と救急車の出動を管理している保健省傘下の組織Medical Emergency Coordination Centerでは電話を使って患者側から救急患者情報を受け、搬送先病院に対しては紙・ラジオ・トランシーバーでその情報を受け渡しています。

マレーシアの救急医療ではDXの遅れという課題に加え、日本と比べて非常に多忙を極めているという課題も存在します。マレーシアでは3次医療機関*への患者の集約化が進んでおり、各3次医療機関*の救急搬送患者数は非常に多い状況にあります。クアラルンプールにある公立3次医療機関*、Hospital Kuala Lumpurでは年間の救急搬送患者数が15,000-20,000人と言われており、これは日本で最も救急搬送患者受入数の多い病院を上回っています。

このような、非常に多忙な病院前救急診療、病院診療の状況において、デジタル化されていないオペレーションにより、医療スタッフは煩雑な記載業務に常に忙殺され、救急診療リソースの効率的な運用が妨げられていると言えます。また、そのような紙中心のオペレーションにおいても、医療データを集積・解析し、医学研究や病院経営に生かしていくニーズは年々高まっています。このニーズの拡大に伴い、救急診療の記録を紙からPCへ入力する作業も同様に膨大に発生しており、効率的なデータ収集が行えていないと言えるでしょう。

このような状況の中、TXP MedicalはNEXT Stage ERとNSER mobileを用いて、救急医療オペレーション全体のデジタル化を推進します。マレーシアの救急医療において、DX推進により救急医療オペレーションにおける業務負荷を減らすこと、また、救急医療に関わる情報連携を効率化し、収集されたデータから救急医療の質の改善につなげていくことを目指して、本事業に取り組んでいきます。

日ASEANにおけるアジアDX促進事業(第三回)_1
日ASEANにおけるアジアDX促進事業(第三回)_2

TXP Medical が採択された「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」は、経済産業省、日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC)、一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS) からの受託により、ジェトロが事務局として事業の公募・採択・事業実施支援等を行います。デジタル技術を駆使して日ASEANの経済・社会課題解決を図る実証事業にかかる経費の一部を補助し、日本企業と現地企業との協働による実証事業を実施することで、日ASEANが一体となってデジタルイノベーションの社会実装を進めるとともに、日ASEANの経済産業協力関係を強化することを目的としています。

(注釈*)3次医療機関:症状と緊急性から医療機関を3段階に分け医療体制を提供しており、1次、2次医療機関では対応できない重症・重篤患者向けの高度な救急医療を提供している医療機関を指します。

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