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仙台市の新救急搬送情報システムとしてNSER mobileの実証がスタート

仙台

7・8月は救急搬送件数が最も多く※1、救急隊の業務が大変逼迫します。全国的に救急出動件数が急増する中※2、2023年の仙台市消防局の救急出場件数は64,830件 と、統計史上最多を記録しました。
2024年8月19日(月)より、仙台市消防局ではTXP Medicalが開発した救急搬送情報システム「NSER mobile」による救急搬送の検証事業を開始します。このシステムは、救急搬送困難事案の解消とEBPM(Evidence-based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)の推進を目的として運用されます。
今回、市内8つの救急隊 と、市内3か所 にある全ての3次救急医療機関(東北大学病院、仙台医療センター、仙台市立病院)および仙台オープン病院 の計4医療機関が実証に参加します。

※1)総務省令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況 より
※2)総務省「令和5年版 救急・救助の現況」の公表 より

仙台市

【背景】
仙台市では、救急搬送において、入電から医療機関収容までの時間の延伸が課題となっています。これは、傷病者からの聴取項目や医療機関への伝達項目の増加、医療機関の救急受け入れ体制の逼迫などが背景となり、搬送先の調整に時間を要することで1回あたりの出場時間が長引き、遠方からの救急車の対応が増加していることが大きな理由です。救急現場では、傷病者の観察と応急処置、搬送先医療機関の選定と収容依頼、薬剤投与などの特定行為や医師への指示要請など、安全管理や感染防止対策を含め、救急隊の活動は多岐にわたり、今後も複雑多様化していくことが予想されます。安全かつ確実な救急活動と救急搬送時間の短縮は、常に仙台市の救急行政における課題となっていました。
(引用:令和4年度 第3回 仙台市救急業務基本問題検討会資料)

【対象救急隊】
救急ステーション救急隊、中央第一救急隊、青葉第一救急隊、鶴谷救急隊、原町救急隊、河原町救急隊、長町救急隊、八乙女救急隊

【協力医療機関】
東北大学病院※、仙台医療センター※、仙台市立病院※、仙台オープン病院
※3次救急医療機関

【検証内容】
1. 対象救急隊にNSER mobileタブレット端末(iPad)を配備し、医療機関とデジタル情報をやりとりしながら救急搬送を行います。
2. 協力医療機関では、NSER mobileからの情報をPCまたはタブレット等で受信します。

「NSER mobile」の特徴
「NSER mobile」は、救急現場と搬送先医療機関間のコミュニケーションを円滑にし、救急対応の効率化を図るシステムです。救急車に配備されたタブレットでAIを活用し効率的に収集した患者情報を迅速に搬送先病院に送信し、病院の受け入れ準備を効率化します。従来の電話と紙の帳票によるコミュニケーションをデジタル化することで、救急医療の見える化を実現し、搬送業務や情報共有が大幅に改善されます。
事案情報入力に加え、病歴やバイタルサイン、静止画、動画情報の共有、一斉照会機能、診療科ごとの応需可否情報、応需履歴の共有、事後検証機能、OA機能など、救急医療におけるデータプラットフォームとしての機能を実装。これにより、患者の救急搬送から治療・検査・転院までの一連業務をデジタルプラットフォームで管理し、EBPM(Evidence-based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)を促進します。

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