2024.08.29
プレスリリース院外心停止患者における体外循環式心肺蘇生法(ECPR)に関する多施設後ろ向き観察研究 (SAVE-J III study)のレジストリを構築
TXP Medicalは、SAVE-JⅡstudyに続く新たな研究プロジェクト SAVE-JⅢ studyのEDC(Electronic Data Capture)システムの構築を受注しました。
SAVE-J Ⅲ studyでは、参加施設が50施設に増加し、ECPRの現状を明らかにし、蘇生領域における新たな知見の創出を目指しています。日本全国規模のレジストリとして、多くの研究成果が世界に発信されることが期待されます。
【背景と目的】
院外心停止患者に対する管理は一般的に心肺蘇生が施行されていますが、その転帰は依然として不良です。救命率や神経学的転帰の改善を目指し、通常の心肺蘇生では心拍再開が困難な症例に対しては体外式膜型人工肺を組み合わせた心肺蘇生(ECPR)が注目されていますが、ECPRは相当量の医療資源を必要とする複雑な処置であり、施行可能な施設は限られています。そのため、ECPRに関する研究は一部の症例のみを対象とし、症例数が少ない研究が多く、十分な検討が行われていませんでした。本邦の代表的なECPRの観察研究であるSAVE-JⅡstudyは、全国36施設が参加する大規模レジストリであり、日本のECPRの実態を調査し、これまで20本以上の学術論文が出版されるなど非常に意義の高い研究となりました。SAVE-JⅡstudyは2013年から2018年のデータであり、日進月歩の蘇生医療の領域においては、現在の実臨床の変化を反映した研究によるアップデートが必要とされています。
TXP Medicalは、この重要なプロジェクトにおいて、技術力と実績を生かし、効率的で負担の少ないEDCシステムを構築します。当社のEDCシステムは、FileMakerを基に構築されており、ユーザーフレンドリーでカスタム開発が迅速に行えるよう設計されています。特に、当社が提供する救急外来システムであるNEXT Stage ERは多くの救命センターに導入実績があり、NEXT Stage ERが実装された施設では構造化された情報がEDCに連携可能となっています。さらに、OCRによる検査データや医療機器情報の電子化技術や、生成AIによる入力の自動化などの新機能を搭載します。これらの技術により、蘇生領域の複雑なレジストリにおいて、各施設のデータ入力の負荷が大幅に軽減され、より多くの患者データがレジストリに登録されます。結果として、データの質と悉皆性が向上し、今後のECPRに関わる研究の質が高まり、院外心停止患者の救命率および神経学的転帰の改善に貢献することを目指しています。
【TXP MedicalのNEXT Stage EDCの特徴】
EDC ( Electronic Data Capture) システムは、臨床試験におけるデータ記録や症例登録をオンライン上で行うシステムです。
TXP MedicalのEDCシステムは、研究に精通した医師が構築をリードし、項目判別の容易さや時間経過後の項目入力を促すリマインド機能、電子カルテの検査データをOCRで電子化する機能など複数の入力支援機能を実装することで、臨床研究を成功に導きます。
ユーザーフレンドリーであり、カスタム開発が迅速に行えるよう設計されていることで、コスト、カスタマイズ性、開発速度において圧倒的な優位性を誇っています。国内有名研究だけでなく国際多施設研究でも利用されています。
また、電子カルテ上で動く急性期医療データプラットフォーム「NEXT Stageシリーズ」とQRコード等を用いて項目を一部自動連携することも可能です。2024年以降は生成AIを用いた自動登録機能も搭載しました。レジストリ登録の業務を軽減したことで、スピーディーな症例集積にもつながります。
【EDC(Electronic Data Capture)とは】
担当医師・スタッフが、得られた臨床データを直接PCなどの端末に電子的に打ちこむシステム。研究者・事務局では、データをリアルタイムで監視・チェックすることが可能です。