2024.02.13
プレスリリース昭和大学・IQVIAソリューションズ ジャパンと共に病理レポート及び放射線レポートのデータ構造化システムを開発する研究を実施
TXP Medical株式会社(代表取締役CEO:園生 智弘、以下TXP Medical)は、昭和大学(学長:久光 正)、IQVIAソリューションズジャパン合同会社(社長:宇賀神 史彦)と病理診断レポート、放射線読影レポートの構造化システムを開発する研究を行いました。2022年9月より開始された本研究の成果は、2023年11月22日から2023年11月25日にかけて行われた第43回医療情報学連合大会にて発表されました。
【背景】
病理診断レポートや放射線読影レポートは、多くの施設ではプレーンテキスト(平文)で保存されています。情報量が豊富な一方で、情報が構造化されておらず、データの利活用は困難であることが実情です。
【システム開発】
上記課題を解決するため、主に悪性腫瘍に関する病理レポートおよび放射線レポートに関して、辞書を用いたルールベースのアルゴリズムと、極性分析・機械学習等の自然言語処理のアルゴリズムを用いたデータ構造化プログラムの開発を実施しました。システム開発のため、構造化に相応しい項目の選定、医療用語辞書の整備、自動で必要情報を抽出する処理の正確さの計測、などを検討しました。
【今後の展開】
TXP Medical は、大病院を中心にデータウェアハウス(DWH)を構築し、医療データの利活用を促進しています。現在の医療データのうち、非構造化データの一つであるテキストデータを利活用するためには、人力によるカルテレビューを実施せざるを得なかった側面があり、結果としてデータを活用した研究が十分に進まない傾向にあります。今回の技術開発経験やノウハウを活かして、がん領域の非構造化データの利活用を促進し、新たなエビデンスの創出による医療水準の向上に取り組んでいきます。
TXP Medical株式会社 医療データ事業部 部長 大角 知也(MBA)のコメント
今回、昭和大学やIQVIAソリューションズジャパンの皆さまと取り組みができたこと大変嬉しく思っております。主にオンコロジー領域にて貴重な情報が保存されている病理診断レポートや放射線読影レポートをNLPとアブストラクタを組み合わせてある一定の成果が得られました。これは、すなわちデジタルと人の能力を組み合わせて新たな価値を患者さんに提供できることを意味します。我々はこれらの技術やデータを活用してTXP MedicalのMissionである「医療データで命を救う。」を実現してまいりたいと考えております。
TXP Medical株式会社 医療データ事業部 佐藤 雅和 (医師:婦人科腫瘍専門医、弁理士、個人情報保護士)のコメント
やがては生成AIによるレポートの自動構造化や、そもそも各種レポートを介さない情報伝達がなされる時代もくるかとは考えられます。一方で、今までのリアルワールドデータを利活用するためには、オフラインで構造化する仕組みの需要が大きいです。本検討の意義は、開発されたプログラムもさることながら、膨大な数のレポートに接することで得た、各種レポートにはどのような情報が記載されていて、癌腫ごとにどのように構造化すればよいのか、といったノウハウだと考えております。引き続き、データという貴重な財産を研究等に利活用するお手伝いができれば幸いです。
医療データ事業のこれまでの実績
慢性心不全患者を対象とした医師主導治験の研究計画 調査支援サービスを実施
脳卒中の「早期発見」と、「早期治療」に向けて、 NEXT Stage ERのリアルワールドデータによる医療データ解析サービスが大きく貢献。 最大3兆円の社会コスト(*1)の削減を目指す。