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TXPリサーチチーム所属メンバーが欧州集中治療学会(ESICM)のデータソンで優勝しました

TXP Medical CSOの後藤匡啓、TXPリサーチチーム並びに共同研究者である耒田善彦、福地清康、柴田潤一郎が欧州集中治療学会(ESICM: European Society of Intensive Care Medicine)が主催するデータソン「4th Digital Critical Care Datathon」に多国籍チーム「Git Jacky AKI」のメンバー(チームリーダー:後藤匡啓)として参加し、2022年6月4日の最終プレゼンテーションにて優勝しました。

データソンとはマサチューセッツ工科大学(MIT)を発祥とする、ヘルスケアデータ+ハッカソンの造語です。今回のデータソンは、臨床医やデータサイエンティストなどが集まり、医療における課題についてビッグデータを解析しながら対処していく方法を学ぶことと、イベントを通じたネットワーキングを目的としています。

TXPリサーチメンバーが参画したチーム「Git-Jacky(Team 07)」も含めて、約150名の16チームが本データソンに参加し、一ヶ月間の準備期間を経て最終プレゼンテーションを行いました。用いるデータはAmsterdamUMC(アムステルダム大学医学部附属病院)の集中治療オープンデータです。

今回は主催者側から3つの大きなテーマが与えられ、各チームは好きなテーマを選び、その中でさらに自分達の臨床疑問・課題を設定し、主に機械学習を用いて課題を解決します。機械学習のスキルのみならず、テーマ選定と具体的な課題設定が重視されます(医療者のドメイン知識に基づく課題設定が最も重要)。

今回のテーマは下記3つでした。
1.  Acute Kidney Injury(AKI, 急性腎不全)
2. バイオマーカーとしての乳酸
3. 人工呼吸器管理

チーム「Git Jacky」はテーマ1を選択し、敗血症に伴う急性腎不全に対して腎代替療法を行わなくて済むような治療戦略を強化学習を用いて構築し、実際の医師の治療と比較しました。

“Optimal hemodynamic management for preventing dialysis-requiring acute kidney injury in patients with sepsis using deep reinforcement learning”という題で、敗血症に対する治療を強化学習で最適化し、輸液、昇圧剤、そして利尿薬を上手く用いることで医師の戦略よりもAKI-Dを防ぐことができる可能性を示し、優勝に至りました。

本研究で得られた知見は当社のNEXT Stageシステムなどで得られたデータの利活用、並びに医療の最適化を目指した社会実装に向けての取り組みへと発展させていきます。

4thDigitalCriticalCareDatathon

※Final Presentationで使われたスライドの一部

ESICM 4th Critical Care Datathon

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